空き家所有者100人に聞いた
「解体しなかった理由」ランキング
古くなった空き家を見ると、 「解体した方がいいのでは」と考えることがあります。
しかし、実際には費用だけでなく、 建物をまだ使える可能性、家族の思い出、 売却の可能性などを理由に解体しない所有者もいます。
空き家所有者100人への調査から、 「解体しなかった理由」をランキングで紹介します。
調査概要
調査対象:空き家を所有・管理した経験のある方
調査人数:100人
調査テーマ:空き家を解体しなかった理由
調査形式:複数回答形式
調査主体:空き家のいろは編集部
複数回答のため、回答数の合計は100を超えています。
空き家を解体しなかった理由ランキング
| 順位 | 解体しなかった理由 | 回答数 |
|---|---|---|
| 1位 | 解体費用が高かった | 74人 |
| 2位 | まだ使えると思った | 63人 |
| 3位 | 家族や親族の思い出があった | 59人 |
| 4位 | 売却できる可能性があると思った | 47人 |
| 5位 | 更地にすると固定資産税が心配だった | 41人 |
一方で、「まだ使える」「思い出がある」「売却できるかもしれない」など、 費用以外の理由も多く挙げられています。
第1位|解体費用が高かった【74人】
最も多かった回答は、 「解体費用が高かった」でした。
解体費用は、 建物の構造・大きさ・立地・接道状況・残置物の有無など、 さまざまな条件によって変わります。
- 想像していたより見積りが高かった
- すぐに用意できる金額ではなかった
- 使っていない空き家に大きなお金をかけたくなかった
- 解体した後の土地の使い道が決まっていなかった
ここで重要なのは、 「解体費用が高いから何もしない」のではなく、 解体以外の選択肢も比較することです。
第2位|まだ使えると思った【63人】
第2位は、 「まだ使えると思った」でした。
築年数が古いからといって、 すべての住宅が直ちに解体しなければならないわけではありません。
建物の状態によっては、 修繕・リフォームなどを行って利用できる可能性があります。
- リフォームすれば利用できそうだった
- 倉庫などとして利用していた
- 将来自分が使う可能性があった
- 親族が利用するかもしれなかった
雨漏り、構造部分の劣化、シロアリなど、 外から見ただけでは分かりにくい問題がある場合もあります。 活用を考える場合は、建物の状態を確認してから判断しましょう。
第3位|家族や親族の思い出があった【59人】
第3位は、 「家族や親族の思い出があった」でした。
実家には、 両親や祖父母との思い出、 自分が育った記憶などが残っています。
そのため、 建物としては利用していなくても、 「簡単に壊す気持ちになれない」という人もいます。
- 両親との思い出がある家だった
- 子ども時代を過ごした実家だった
- 簡単に壊す気持ちになれなかった
- 家族や親族から反対された
こうした場合は、 「すぐ解体する・ずっと残す」の二択にせず、 家族で今後の利用予定や管理負担について話し合うことが大切です。
第4位|売却できる可能性があると思った【47人】
第4位は、 「売却できる可能性があると思った」でした。
解体してしまえば、 建物を利用したい人へ引き継ぐことはできなくなります。
そのため、 解体前に中古住宅としての売却、 空き家バンク、譲渡などの可能性を確認する考え方があります。
- 不動産会社へ相談していた
- 空き家バンクへの登録を検討していた
- 0円譲渡を検討していた
- 建物を使いたい人を探していた
緊急性の高い危険な状態でない場合は、 売却・活用・譲渡などの可能性を確認してから 解体を判断する方法もあります。
第5位|更地にすると固定資産税が心配だった【41人】
住宅が建っている土地では、 一定の要件を満たす場合、 住宅用地に対する固定資産税の課税標準の特例が適用されています。
建物を解体して住宅用地に該当しなくなれば、 この特例が適用されなくなり、 土地部分の固定資産税の負担が増える場合があります。
実際の税額は土地の面積、評価額、利用状況などによって異なります。 解体を検討する場合は、所在地の市区町村などへ確認してください。
また、税負担だけを理由に、 管理状態の悪い空き家を放置し続けることが 適切とは限りません。
解体する前に比較したい4つの選択肢
空き家をどうするかは、 「解体する・しない」だけで考える必要はありません。
中古住宅や古家付き土地として、 建物を残した状態で売却できる可能性を確認します。
建物の状態に問題がなければ、 修繕やリフォームをして利用する方法があります。
一般的な売却が難しい場合でも、 地域や物件によって別の使い手が見つかる可能性があります。
建物を残すことが難しい場合は、 解体して土地として活用・売却する方法があります。
「解体しない」と決める前にも確認が必要
今回の調査では、 解体しなかった理由が数多く挙げられました。
しかし、 「解体費用が高いから」 「思い出があるから」 という理由だけで、 そのまま何年も放置することには注意が必要です。
- 屋根・外壁などに危険な傷みがないか
- 雨漏りやシロアリなどが発生していないか
- 庭木や雑草が近隣へ影響していないか
- 定期的に管理できる人がいるか
- 将来誰が利用するのか決まっているか
- 売却や譲渡の可能性を確認したか
解体しない場合も、 「何もしない」のではなく、 適切に管理しながら今後の出口を考えることが重要です。
反対に「解体を決断した人」は何が理由だった?
空き家の状態や所有者の事情によっては、 最終的に解体を選ぶ人もいます。
空き家のいろはでは、 空き家所有者100人を対象に 「解体を決断した理由」についても調査しています。
空き家は必ずしも解体だけが解決方法ではありません。
建物の状態や立地、家財の状況などによって、 片付け・売却・活用・譲渡・解体など複数の選択肢があります。
解体するべきか、売却や譲渡を検討するべきか整理したい方へ。
空き家の相談窓口 →実家や空き家に残っている家具・家財の整理を進めたい方へ。
空き家片付けセンター →売却が難しい空き家を、0円譲渡などで次の使い手へつなぐ方法を検討したい方へ。
空き家マッチングセンター →今回の100人調査では、 空き家を解体しなかった理由の第1位は、 「解体費用が高かった」74人でした。
一方で、 「まだ使えると思った」63人、 「家族や親族の思い出があった」59人、 「売却できる可能性があると思った」47人など、 解体しない理由は費用だけではありません。
空き家は、 解体する・売却する・活用する・管理する・譲渡するなど、 複数の選択肢があります。
重要なのは、 「解体しない」と決めたまま放置するのではなく、 建物の状態を確認し、 その空き家を今後どうするのかまで考えることです。


