実家じまい|なぜ、早めの対処が望ましいのか?

実家じまい コラム

実家じまい」とは、両親や祖父母などが住んでいた実家を整理・処分することを指します。特に親が亡くなったり、施設に入ったりして、家が空き家になったときに行われるケースが多いです。最近では少子高齢化や空き家問題、相続問題と関係して、関心が高まっている言葉です。

実家じまいの主な内容

家財の整理・処分
 家具や衣類、思い出の品など、長年溜まった物を整理します。実家じまいにおいて最も時間と労力を要する作業の一つです。思い出の品が多く含まれるため、感情的な負担も大きくなります。

家財整理・処分のステップ

① 仕分け(分類)作業

以下の4つに分類すると進めやすくなります。この仕分け作業が一番と言っていいほど時間がかかり、気持ちが折れてしまう作業です。

  • 残すもの(持ち帰る/継続して使用できる)
  • 譲るもの(親戚・知人へ)
  • 捨てるもの(廃棄処分)
  • 売るもの(リサイクルショップ・フリマアプリ)

② 思い出の品の扱い

  • 写真や手紙などは、デジタル化すると保存しやすいです。
  • 家族で一緒に見ながら処分すると、感情的な整理にもなります。ここが一番辛くて人間性も問われる。

③ 処分方法の選択

  • 粗大ごみ回収:自治体に連絡して回収を依頼する。
  • 不用品回収業者:一括で大量に処分したい場合に便利である。
  • 買取サービス:家具、家電、本、ブランド品などは買取業者を活用しよう。
  • 空き家片付けのプロ:あまりにも処分が多い場合やごみ屋敷場合は、一括して依頼しよう。
  • 寄付:まだ使えるものをNPO団体などに寄付する方法もあります。

④ 業者の活用

  • 空き家の片付けは、近年では空き家専門に片付けする「空き家片付けのプロ」など専門業者に依頼すると、心理的にも安心して任せられます。
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不動産の対応
 家を売却する、解体する、賃貸に出すなどの「空き家をどうすればいいのか」選択肢があります。

名義変更・相続手続き
 土地や建物の名義変更や、相続税に関する手続きを行う必要があります。

名義変更・相続手続きの流れ

① 被相続人の死亡後、まず行うこと

  • 死亡届の提出(7日以内):市区町村役場へ。
  • 戸籍謄本の収集:相続人を確定するため必要。
  • 遺言書の有無の確認:公正証書遺言か自筆か確認。

② 相続人の確定

  • 戸籍をもとに法定相続人を調査。
  • 相続人が多数いる場合、遺産分割協議を行う。

③ 遺産分割協議書の作成

  • 不動産、預金、動産などの相続分を話し合い、書面化(署名・押印)
  • これが名義変更に必要な重要書類になります。

④ 不動産の名義変更(登記手続き)

  • 法務局にて所有権移転登記を申請。
  • 必要書類:
    • 登記申請書
    • 遺産分割協議書
    • 相続人全員の印鑑証明
    • 被相続人の住民票除票・戸籍一式
    • 固定資産評価証明書

⑤ 相続税の申告(該当する場合)

  • 基礎控除:3,000万円 + 相続人1人あたり600万円
  • 控除を超える遺産がある場合は、10か月以内に相続税申告
  • 税理士に相談するとスムーズ。

補足ポイント

  • 名義変更せずに放置すると、「所有者不明土地」になり、売却も解体もできません。
  • 将来的なトラブル回避のためにも、早めの対応が肝心です。

近隣や関係者への連絡
 ご近所や親戚への連絡、郵便物の転送手続きなども必要です。

心の整理
家族の思い出が詰まった家を手放すことは、精神的な負担も大きいため、気持ちの整理も大切です。

実家じまいの心の整理」とは、単に家を片づけたり手放したりするだけでなく、思い出や家族とのつながりをどう受け止め、気持ちに折り合いをつけるかという精神的なプロセスのことです。

なぜ「心の整理」が必要なのか?

実家は単なる建物ではなく、

  • 子ども時代の思い出
  • 家族の団らんの記憶
  • 親や祖父母の生きた証

といった心の拠り所でもあります。だからこそ、「実家を手放す=過去との別れ」と感じる人も多く、感情が大きく揺れるのです。


🔹 心の整理を助ける具体的な方法

1. 写真を撮る・記録を残す

  • 実家の風景や部屋を写真や動画で残すと、後から振り返ることができ、安心感につながります。

2. 家族と思い出を語り合う

  • 両親や兄弟姉妹と、「この部屋で〇〇をしたね」といった会話をすることで、心がほぐれます。

3. 「感謝の手紙」や「お別れの儀式」

  • 実家に「ありがとう」を伝えるような手紙を書いたり、最後に家の中をゆっくり歩いて心の中でお礼を言ったりするのもおすすめです。

4. 無理をしない

  • 「もっとちゃんと見ておけばよかった」と思っても、それは自然なこと。自分を責めず、できる範囲で心を整理しましょう。

実家じまいのポイント

早めに計画すること
 急な病気や死去に備えて、元気なうちから話し合いを始めることが理想的です。

専門業者の活用
 空き家片付け、遺品整理、不動産売却のプロに依頼することで、精神的・物理的負担を軽減できます。

なぜ「実家じまい」が必要か?考えてみよう!

  • 固定資産税・管理費用などの維持費がかかる。
  • 空き家のまま放置すると倒壊や治安の問題になり行政から指導や命令を受ける場合がある。
  • 相続トラブルを防ぐためにも早めの対処が望ましい。

このような問題が降りかかり、今まで生活がマイナスや空き家問題に発展してしまうリスクを生じてしまう恐れがあります。

実家じまいのアドバイス

実家じまいは感情的な面も大きいため、焦らずに一つ一つ丁寧に進めることが大切です。

まとめ

実家じまいには時間と労力、そして心の準備が必要です。計画的に進めることが重要です。もし、仕事が忙しいや実家が遠いなどの理由で実家じまいに時間取れない場合は「空き家片付けのプロ」に相談してみるのも手段の一つです。

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