2030年の空き家問題とは、日本が直面する深刻な社会課題の一つで、全国の住宅のうち3軒に1軒が空き家になる可能性があるとされています。この問題は、人口減少や高齢化、地方の過疎化などが背景にあり、特に以下のような点で懸念されています。
空き家問題の背景
人口減少と高齢化
日本の総人口が減少し続ける一方で、高齢者が亡くなった後の住宅が放置されるケースが増加しています。

※厚生労働省ウェブサイト引用
相続問題
家の所有者が亡くなっても、相続人がその家を使わない、または相続登記をしないまま放置するケースが多いです。

相続登記しないで放置すると、売却できない・権利関係が複雑化する・固定資産税等が高額になるなど、様々なデメリットやリスクがあります。 また、令和6年4月1日からは相続登記が義務化され、期限までに申請手続きをしないと、罰則の対象になります。
法改正後は、相続発生から3年以内の相続登記が義務化され、期限内に相続登記をしなかった人には罰則「10万円以下の過料」が科せられることになります。 現在すでに相続が発生しており、相続登記せず放置されている不動産も義務化の対象になるため、速やかに手続きしておく必要があります。
地方の過疎化
若者が都市部に集中し、地方では住む人がいなくなる「ゴーストタウン化」が進行しています。

ゴーストタウン化とは
ゴーストタウン化とは、本来は人々が住んでいた地域や町が、人口の減少や産業の衰退などにより、人の気配がなくなり、まるで「幽霊の町(ゴーストタウン)」のようになってしまう現象を指します。日本では特に過疎化や高齢化が進む地方で見られることが多く、商店街が閉店し、空き家や廃墟が増えるなど、地域の活力が失われた状態を表現する際に使われます。
例えば、かつて炭鉱や工業で栄えた町が、産業の衰退とともに働き手が流出し、住民がいなくなることでゴーストタウン化が進むケースがあります。また、観光地であっても一時的な人気の低下で同様の現象が起こることもあります。
地域活性化の対策として、移住促進や空き家の利活用、観光資源の見直しなどが模索されています。
2030年の予測
- 総務省の統計では、2030年には空き家率が30%を超える可能性があります。
- 特に地方では空き家が犯罪や倒壊のリスク、景観悪化、地価下落などの要因になると警告されています。
放置された空き家は、固定資産税が最大6倍になるリスク
空き家の処分や活用が進まないとの理由で空き家を放置し続ければ、所有者様がさまざまなリスクを抱えることになります。そのひとつに、固定資産税が最大6倍になる可能性があることが挙げられます。
空家等対策の推進に関する特別措置法(通称:空家等対策特別措置法)に基づき、自治体は、下記の条件にあてはまる空き家を「特定空き家」に認定することが可能です。

特定空き家に該当する空き家の状態
- 著しく保安上危険となるおそれのある状態
- 著しく衛生上有害となるおそれのある状態
- 適切な管理が行われていないことにより、著しく景観を損なっている状態
- そのほか、周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態
特定空き家の増加を未然に防ぐために、自治体は「現状のまま放置すれば、いずれ特定空き家になるおそれのある空き家」に対して、「管理不全空き家」に認定することも可能です。
管理不全空き家に該当する空き家の状態
- 屋根ふき材に破損などがある状態
- 立木の伐採などがなされておらず、腐朽が認められる状態
- 排水設備などが破損している状態
特定空き家、管理不全空き家に認定されると、自治体から空き家の所有者に対し、空き家を適切に管理するよう助言・指導がなされます。そして、これを受けても改善しない場合は、固定資産税などの住宅用地特例が解除されて、軽減措置から外れてしまいます。その結果、固定資産税の額が最大6倍に膨れ上がる場合があるのです。
特定空き家の場合は、さらに放置をすると命令に切り替わります。その命令にも従わないと、50万円以下の過料に処される場合があるほか、自治体による空き家の強制撤去が行われる可能性もあります。強制撤去の費用は、所有者様に請求されるので注意しましょう。
対策と課題
所有している空き家が特定空き家、管理不全空き家に認定されるかどうかを把握して早めに対策をすることが必要です。特定空き家、管理不全空き家に認定されそうな場合は、空き家を早期に処分する解決策を考える。認定されなくても住まない予定の場合は、空き家の定義を良く学び所有している空き家の管理をする必要がある。万一、仕事の都合で現地に行けない場合やどうしたらいいのか?悩んでいる方は専門業者に問い合わせをしたり、空き家の個別相談会を利用して課題解決してみると良いです。
「空き家の専門業者」に所有している空き家について相談してみよう。
2030年空き家問題に象徴される空き家の増加の問題は、社会問題であるとともに、空き家の所有者一人ひとりに空き家対策を求めるものでもあります。
現実に、所有する空き家を管理不十分なままにしておくと、固定資産税が上がるといった不利益を被ることになるので、何らかの対策をしなくてはいけません。
空き家の活用で困っている場合は、サポートしてくれるサービスを利用するのがおすすめです。空き家ウェブマガジン「空き家のいろは」を運営する空き家課題解決プラットフォーム「空き家片付けセンター」は、空き家の片付けはもちろん、空き家の個別相談会、空き家の片付けの売却支援、空き家の活用などさまざまなサービスの中から最適なプランをご提案します。
空き家の売却や活用などの処分をお考えの方は、まずは、お気軽にお電話やお問い合わせフォームから空き家片付けセンターにご連絡ください。
まとめ
まずは、特定空き家、管理不全空き家に認定されると、自治体から空き家の所有者に対し、空き家を適切に管理するよう助言・指導されてしまう前に空き家の処分、売却や活用ができる専門業者に相談してみてください。
また、社会全体としては、今後の展望としては、2030年に向け、空き家を単なる「問題」とせず、「資源」としてどう活かすかが大きなテーマになります。地域活性化や移住促進、サテライトオフィスなど、空き家を活用した新たな社会モデルも期待したいものです。